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IRのつくり方。

IR資料作成の進行管理って、どうしてる? 【 IRのつくり方。第1回 】

小西ちさと

インクデザイン株式会社 進行管理担当

こんにちは、インクデザイン飯島です。

私たちインクデザイン株式会社では、決算説明資料や中期経営計画、統合報告書など、主にIR領域に特化したデザインコンサルティングを提供しています。
このたび「IRのつくり方。〜企業価値を伝える仕事の、その裏側へ。〜」と題して、社内外のIR資料や経営戦略に関わる人たちのインタビュー企画を連載形式で実施することになりました。

今回は第一回として、年間数百本の資料を作成する私たちインクデザインが、膨大な量のIR資料をどのように案件管理・進行管理して、ノウハウを蓄積しているかをご紹介したいと思います。

Notionを活用した進行管理・ノウハウ管理

インクデザインでは、案件管理やスタッフ管理、ナレッジ共有のツールとしてNotionを活用しています。
約1年前に導入して、現在ではすべての情報をNotionに集約しています。導入時の立ち上げ編・実装編も記事にまとめていますので、宜しければご覧ください。

今回は自社でNotionの管理を担当しているエディターの小西さんに、IR資料における案件管理のポイントや、小規模チームならではの「リアルなNotion活用術と保守の裏側」について、じっくり話を聞いてみました。

実際には各企業のIR担当者の皆さんが大量のIR資料を同時に進行管理する、というシーンは無いと思うのですが、1件でも大変なIR資料の完成までの進行管理をどのように大量に同時進行しているのか、が少しでも参考になれば幸いです。

リモートワークの救世主?Notion最大のメリットとは

── 導入から1年経ちましたが、Notionを利用する最大のメリットは何でしょうか?

一番の強みは「情報の紐づけ・分類・まとめのしやすさ」ですね。
現在では、社内の誰もが自由にNotionへ書き込める環境になっています。

── インクデザインは全員がフルリモートですよね。やっぱり情報共有の面で違いは大きいですか?

そうですね。個人のノウハウが圧倒的に共有しやすくなりました。
フルリモート環境でお互いに情報共有をするには、なんだかんだ「テキスト」が一番コミュニケーションとして残しやすいんです。

それに、Notion AIで検索すれば探している情報をすぐに見つけられます。
「これって誰に聞けばいいの?」「前回はどう対応したんだっけ?」と迷った時に、自己解決できる仕組みができているのはすごく良いところだと思います。

「ルールは最小限」が定着のコツ?安心の個人ページ

── ここ1年でインクデザインは社員が急増しています。新しいメンバーに使い方やルールを定着させるために、どんな工夫をしていますか?

入社時に使用方法を説明する機会は設けているんですが、実は社内全体のルールとしては「メインのデータベースは触らない」ということ以外、あまり細かく決めていないんです。

その代わり、入社時にNotion内にそれぞれの「個人ページ」を用意しています。
ここは自由に色々チャレンジできる場所なので、自分でツールを試したりカスタマイズしたり、練習がてら好きに使ってもらっています。

── あ!それ、私も入社してすごく助かりました。Notionを使うのが初めてだったので、「うっかり誰かのデータを消しちゃったらどうしよう…」と最初は入力するのもドキドキでした。でも、個人ページなら失敗しても誰にも迷惑がかからないので、そこで試してから共有ページに入力しています。練習できる場所があるのは本当にありがたいです。

そう言ってもらえると嬉しいです!細かいルールで縛らない「ゆるさ」が、結果的に良かったのかもしれないですね。

課題は「放置問題」と「Notionでやるべきか問題」

── 誰もが更新できる「ゆるさ」がメリットな一方で、「誰かがメンテナンスするだろう」と情報が放置されてしまうことはありませんか?

基本的には「気づいた人や困った人が直す」というスタンスで、現状はなんとなく上手く回っています。
ただ、複数人が関わる案件は一元管理する担当者がいた方がいいかな?と感じる場面はありますね。

あと、ナレッジ共有についても「これはいつ時点の情報なのか」「全体の合意がとれたものか、ただの個人のメモなのか」が判断しづらいことがあるので、今後何らかの運用ルールは決めた方がいいかもしれないと思っています。

── なるほど。ちなみに、Notionで改善してほしい点はありますか?

機能面でいうと、入力忘れの箇所にアラートを出したり、セルの色を変えたりできないのが残念ですね。社内からも再三リクエストをもらうんですが設定できなくて。あと、Excelのような複雑な計算ができない点や、複数人で一斉に同じページを開くと動作が重くなる点は改善してほしいなと思います。

── 運用面でうまくいかなかった事例はありますか?

「勤怠管理」ですね。現在インクデザインではfreeeで勤怠管理をしていて、実態と照らし合わせるために毎日Teamsでも出退勤の連絡をしています。それを人事担当が毎月突合するのが大変なので、「Notionで管理できないか」と試験運用してみたんです。

でも、いざやってみたら結局目視での突合が発生してしまい、全然効率化にならなくて(笑)。
結局、勤怠管理はこれまで通りの運用に戻りました。
なんでもNotionでやってみる姿勢は大事ですが、「そもそもツールと業務の特性的に、それをNotionでやるべきか?」を見極めるのが大事だと痛感した事例です。

Notion AIで「インクらしさ」を学習させる!?

── 現在、Notionを使って新しく取り組んでいることはありますか?

今は「工数DB(データベース)」を作成して、各社員が毎日どの案件に何時間かかったかを記録する試験運用をしています。

毎朝Notion AIに「今日はこの業務とこの業務をやります。工数DBを更新しておいて」と投げかけて、タスクを作成するイメージです。これにより、社員は自分のタスクを再確認できますし、会社側は「誰が何の業務で忙しいか」「案件ごとの工数」をざっくりと把握できるようになります。ゆくゆくはデータを蓄積して、今後のスケジュール作成に役立てる狙いです。

── AI機能もフル活用しているんですね。他にもNotion AIの便利な使い方はありますか?

Notion AIは以前より検索精度が大幅に向上しました。

調べ物はもちろんですが、過去のデータベースを参照して、新規案件の叩き台を作ってもらうのにも便利です。
今はまだ人の確認や作業も必要ですが、「案件Aで作った構成案を、案件B用にアレンジして」とお願いすれば瞬時に作ってくれるようになればいいなと期待しています。

── それができるとさらに効率化できそうですね!

ChatGPTなどの一般的なAIだと一般的な回答しか返ってきませんが、Notion AIの強みは「インクデザインのNotionに蓄積された社内データ」を元に学習して提案してくれるところです。

つまり、メンバー全員が思考過程や試行段階のメモをどんどんNotionに書き出してAIに学習させれば、アウトプットに「インクらしさ」を体現できるようになるんです。(※PDF読み込みや図解にはまだ弱いので、Notebook LMなどとの使い分けは必要ですが)

── 社内専用の外付けハードディスクみたいなものですね。同じ視点でAIからアウトプットをもらえたら、ものすごく業務効率が上がりそうです。

まずは「個人の趣味」から始めるのが最強の第一歩

── 小西さんご自身は、プライベートでもNotionを使っていますか?

はい、3年ほど前から使っています!

私、「忘れっぽいから書いておかないとダメ」という理由で始めたんです(笑)。
日記、読書メモ、アイデア、お風呂でふと思いついたことまで全部Notionにメモしています。

紙と違ってかさばらないし、検索できるのが最高です。
過去の日記を検索して「この時こんなこと考えてたな〜」と振り返ったり、「今の自分に役立ちそうな本、前に読んだ気がする…」という時に読書メモを検索したり。電子書籍のハイライトを流し込んでAIに要約させることもできるので、今やNotionなしの生活は考えられません!

── 最後に、これからNotionを導入したいと考えている小規模企業の方へアドバイスをお願いします。

「まずは個人ページから始める!」これに尽きます。

失敗しても他者への影響が小さく、自由にカスタマイズできるので、圧倒的に習熟度が上がりやすいからです。

── 共有ページだと「壊しちゃったらどうしよう」と不安になりますが、自分のページで使い慣れておけば心理的ハードルも一気に下がりますね。小西さん、本日はありがとうございました!


【編集後記】
あまりガチガチにルールを決めず、ふわっと個人の裁量に任せて運用しているところに「インクデザインらしさ」を感じました。

それが継続運用の秘訣なのかもしれません。
また、AIの進化に対して「仕事を奪われる」と危惧する声もありますが、自社のデータをAIに学習させ、味方につけてさらなる発展を目指すという前向きな姿勢が大変印象的でした。

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