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連載「初めてのサステナビリティレポート」第1回
サステナビリティレポートの公開は、もはや上場企業だけの話ではなくなりました。
取引先の大手企業がESG調達基準を設け、サプライチェーン全体に情報開示を求める動きが加速していルナど、中小企業がサステナビリティ情報を開示できないことが、取引継続の障壁になるケースも出始めています。
では、いざ作るとなったとき、何から始めればいいのか。そして、「作れば終わり」ではない時代に、何を意識してレポートを設計すればいいのか。
この連載では、サステナビリティレポートの制作に取り組む担当者の方に向けて、最新トレンドを網羅した実務的な視点から順を追って解説していきます!
形式的な開示は、段々評価されにくくなる
ESG情報の開示に取り組む企業は年々増えています。これまで有価証券報告書を読まなければわからなったベーシックなESG情報を網羅したレポートは一定数作られるようになりました。
一方で、定量データを並べるところから、さらに踏み込んだサステナビリティ情報の公開が求められる流れはこのまま強くなるでしょう。例えば金融庁が示すコーポレートガバナンス・コードの改訂の方向性からも、形式的な開示から実質的な開示へのシフトが明確に読み取れます。
📍 制作のポイント
- その数字が自社の企業活動とどう結びついているか
- どうしてその指標を重視するのか?
- どういう経営判断のもとで目標を設定したのか?
という文脈を説明することが重要視されています。
「何のために作るか」を起点に、自社に必要なステップを踏む
サステナビリティレポート制作の初年度や見直すタイミングでは、まずはお手本となるフレームワークを参照しながら掲載項目を整理するのも大切です。一方で、その前に決めなければならないことがあります。
このレポートは、誰のために、何を伝えるために作るのか。投資家向けに作るのか、取引先向けに作るのか、採用候補者向けに作るのか、という
同じESG情報でも、読者によって伝えるべき内容・言葉・構成は変わります。また、マルチステークホルダーに向けた幅広い発信だと定義しても、報告書の制作ゴールを明確にしておくことはとても大切です。
📍 制作のポイント
特に初めてサステナビリティレポートを制作する場合は、アウトプットの質そのものだけが目的ではありません。
- 社内の情報収集ルートを作る
- 担当者、制作体制を整える
- 今そろっている企業価値を可視化する
- コーポレートコミュニケーションの現在地を確認する
こういった目的も、初回レポートには同じくらい重要な意味を持ちます。
何のために作るかをあらかじめ経営層と合意しておくことで、制作の途中で判断に迷ったときも、軸がぶれることなく進行できますね。
自社にとっても「本質的な開示」を目指すために
少し話を戻して、「形式的な開示が評価されなくなっている」昨今の潮流では、言い換えれば自社の企業活動と紐づいて説明できるESG情報を投資家が強く求めているということです。
たとえば、製造業であれば、製造プロセスにおけるエネルギー効率の改善や廃棄物削減の取り組みは、事業の競争力と直結しています。それをESGの文脈で語った情報は、もはや長期的な企業価値に直結すると考えられる、非常に重要な投資判断材料になります。このように事業戦略と、強みが社会・環境にどうつながっているかを一体で語ることが、開示の基本形になります。
言い換えれば、「企業がなぜこのビジネスをしているか?」という問いへの答えが、そのままサステナビリティレポートの核になります。
持続可能な価値を語る上で、その企業がどんな社会を目指しているのか、どんなありたい姿に向かって進んでいるのかを伝えることは、数字の開示と同じくらい、あるいはそれ以上に重要です。
レポート制作で到達すべきゴールは十人十色
初回レポートでは、初めから網羅的で完璧な情報開示を目指すのではなく、段階を経てブラッシュアップしていくロードマップを描くことが大事だと考えています。
大切なのは、「この会社はこういう会社で、こういう姿勢でサステナビリティに向き合っている」ということが、読んだ人に伝わることです。
インクデザインでは、フレームワークに準拠しつつ、情報の見せ方は、その企業らしさと企業が目指す世界が伝わるようコンサルティングを行なっています。サステナビリティレポート・ESGレポートの本質は、決算情報だけでは伝わらない企業の将来価値を伝えることだと考えているからです。
次回は、サスレポ設計の根幹となるフレームワークの考え方や、マテリアリティ(重要課題)の特定について解説予定です。自社にとって重要なESG課題をどう見極めるか、そのプロセスと考え方を整理していきます!
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